その時私は、気球の誤認ではないかと言う説を書きましたが、その後も色々調べた結果、
実はこの事件、学生数人によるイタズラだった!!
―と言う情報に突き当たりました。
アメリカの量子化学者であり生化学者でもある、
ライナス・ポーリング(Linus Carl Pauling, 1901年2月28日 -
1994年8月19日)は、1954年にノーベル化学賞を、1962年に
ノーベル平和賞を受賞した高名な科学者です。(→)
ポーリング博士は、ビタミンCから電気自動車まで幅広い研究
分野を持っていた方ですが、UFO現象にも興味があり、
当時話題になっていた「ソコロ事件」にも無関心ではいられま
せんでした。
ポーリング博士は、友人であるスターリング・コルゲート博士に
宛てた手紙の中で、「ソコロ事件について、何か知らないか」
と質問しました。コルゲート博士は、ソコロにあるニューメキシコ工科大学(NMIT)の学長をしていたのです。
(↓)ポーリング博士からコルゲート博士に宛てた手紙。
タイプではなく自筆で書くとは、ポーリング博士はよほどソコロのフライングソーサーに興味があったんですね。
(←)スターリング・コルゲート博士(1925年-)は、ロスアラモス国立
研究所で水爆の研究に従事していた物理学者で、ソコロ事件の頃
には天体物理学の分野に踏み込んで、超新星に関する研究を行っ
ておりました。
ポーリング博士からの依頼を受けたコルゲート博士は、NMIT学内の
信頼できるソースから、「ソコロ事件」に関する情報を得て、
ポーリング博士に報告しました。 それによると…
NMITの学生数人がこの悪戯を企てた。周到な準備の末、1964年4月24日夕方、彼らは計画を実行した。
まず、学生の一人がわざとスピード違反を犯して、ザモラ巡査部長のパトカーを引きつけた。
「遭遇現場」では、花火を鳴らして、さらにザモラを近くまで誘導した。
ちなみに、その花火は独立記念日の為に学内に大量に用意されていたものである。
その「遭遇現場」では、小柄な学生二人が手製のキャンドル・バルーンを用意し、自らはクリーンルーム
用の白いウエアを着用して待ち構えていた。宇宙人役を演じるためである。
(↓)学生達が用意したキャンドル・バルーン(いわゆる、孔明灯)とクリーンルーム用ウエア(其々類似画像)。
ザモラの目の前で、「宇宙人役」の学生達はもっともらしい動きをして見せた。
「UFO」の離着陸音は、警笛のように鳴る花火を使用した。
2011年、86歳になったコルゲート博士は、「ソコロ事件」に関するインタビューに、こう答えている。
「それは冗談でした。また、私はオフィサー・ザモラを非常に心配していました。」
こうして、ザモラ巡査部長は、学生達の悪戯にまんまとハマってしまった訳ですが、学生達の予想に反して
「事件」は加速度的に拡大し、空軍は調査に来るは、新聞には大々的に載るはで、今更「イタズラでした」
なんて言い出せない雰囲気となってしまい、ケツを捲ったと言うのが事の顛末のようです。
情報源の信頼性の高さ、状況との合致性の高さからすると、ソコロ事件のオチはこれで決まりかなと
言う感じもします。裏に何かもうひとつふたつ、あるような気がしないでもありませんが…。
『DICTIONARY OF SYMBOLS』と言う本によると、錬金術において
水銀を表すとされ、別に「狂った頭」との意味もあるそうな。
人が悪いなぁ、NMITの学生は!!
(参考) 海外の妖しい Blog 記事から The Bragalia Files The UFO Iconoclast(s) Bad UFOs: Skepticism, UFOs, and The Universe - by Robert Sheaffer A Different Perspective 他